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2009年9月 日本に帰って来たruchika  3年半ぶりの日本に戸惑いながら しばらく英国の記事をアップしていきます。


by ruchikald
     ロンドンの南東部に位置するグリニッジは 

いわずとしれた世界標準時間の拠点

1997年 世界遺産にも登録されています。

なぜ ここに天文台が置かれ 経度0の子午線があるのか

実際に出かけてみてわかりました。

大英帝国が世界の覇者として君臨していた時

テムズ河沿いにある グリニッジ・ピアから

帆船が海にむけて出港していたのです。

いわば この土地が世界への航海の起点だったのです。

”ここが緯度と経度の始まりである”・・・・と宣言しちゃったところが

大英帝国の過去の威光なんですが

根拠なく宣言するすごさに 圧倒されてしまいまう。



旧天文台は グリニッジ パークの中にあります。

イギリスには珍しく小高い丘があり

周囲を見晴らすには絶好の地理条件。
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丘を上りきった 観測台からの見晴らしが良いです。

向かいに見える高層ビル群は DOCKLANDS(ドックランズ)

再開発で建てられた風景は イギリスっぽくないけど

結構 かっこいいなーと思いました。
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旧天文台の時計
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レーザーの光が 正確な子午線を示しています。
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観光客は 子午線をまたいで 写真を撮りまくってました。

緯度と経度の境界を越えるって

本当に世界は丸いのねーなんて 単純に感動です。

なにやら ものものしい装置も展示されておりまして

西洋と東洋のはざまに 自分は立っているのねと

観光客みんな 妙にはしゃいでおりました。
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丘の麓にある旧王立海軍学校はクリストファー・レンの設計

ドームを抱く 左右対称の構造が美しい
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近くによると 威圧感があります
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ペインティッド ホールの天井が圧巻

見上げなくても良いように 鏡に映る絵をみることができます。
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テムズ河沿いにこんプレートを発見

ヘンリー8世  娘のメアリ女王とエリザベス1世出生の地
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グリニッジってイギリスの変革に大変 意味のある土地なんだなあ・・・・

エリザベス1世の時代 当時世界を席巻していたスペインに

小国だったイギリスが戦いを挑んて 無敵艦隊を打破したんだもんね。





残念ながら カティーサーク号は修復中でみることができなかったけれど

珍しく抜けるような青空の中で 鼻息を荒くしながら

歴史の奔流に思いを馳せた一日でした。
# by ruchikald | 2009-12-14 14:44 | 歴史

ロンドンの家 大公開

 ロンドンでの生活

家のトラブル続きで ほとほと手を焼いたことや

あまりにひどい 公共サービスのお粗末さも 今となっては 笑い話。
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可愛いお客様も時々遊びにきました。
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とはいえ 1度目の家で さんざんトラブルが起こったとき

当時は笑えないこともありました。

一番 ひどかったのは

気温が0度以下まで下がった 11月のある日

ボイラーが突然 故障して 家の中のセントラルヒーティングが

作動しなくなったことでしょうか?

これがヒーター  中の配管にお湯が循環して部屋を温めます。
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問題のボイラー     このヒトには泣かされました
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家には小さな電気ストーブが一つあるだけ

運悪く ダンさんは出張中で留守だったし

このままでは 凍死してしまうかも・・・・なんて 本気で思いました。

もちろん シャワーだって使えなくって

しばらく 大家さんが持っている別のアパートまで

シャワーを借りに行ったんです( 貰い湯 戦前か?)

わざわざ車に乗ってね。

結局 暖房が完全に復活するまで 

2週間近くかかってしまいましたわ・・・ 


  でも 入居を決める時の記事は こんなに良い印象だったのに・・・
Londonerへの道 : 虎穴に入らずんば 虎子を得ず

イギリスでは 不動産は庶民の投資、

手っ取り早い財テクとして人気があります。

親から独立した若者でも ローンを組みやすいらしく

早くから家を購入し

転売を重ねて 財産を増やすのが一般的。

みなさん 結構カツカツで 不動産をもっているので

経済的に厳しいケースが多く

”イギリスの大家さんはケチ”と 良く聞きます。

トラブルにすぐ対処してくれないという愚痴は日系人の間で

良く聞いたものでした。

おりしも昨年はリーマンショックで イギリスの金融不安は日本の比でなく 

ロンドンの経済界に激震を与え家賃はさがる一方。

ならば もうちょっとマシな所に移ろうかと 探し始めました。






それにしても 1軒目の大家さんが 本当にがめつかったなあ。

IKEAに行った時 家具やカーテンがすべて 店で一番の安物をそろえていたので

苦笑してしまいました。

     ソファーもカーペットもクッションも最安値品(笑)
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他の駐在員のお宅にお邪魔した時も 同じ家具が置いていて

さらに 笑ってしまいましたよ~

うちだけじゃなくて どこの大家も同じだったんですわ。

お庭は 結構可愛かったんだけどね
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そうそう 突風で塀が倒れちゃったなんてこともありましたわ
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自ら 大家さんが塀を直しに来てくれたなぁ。





次に住んだお宅は 家の玄関側 裏庭側両方向から日差しが差し込む明るい家でした。

一件目の家のトラブルで 心がボロボロになって家探しをしているとき

この家に出合い ここだ!と直感しました。

というのも イギリスで太陽の光はなによりも代えがたい。

若いオーナーの男性は日本人並みの几帳面さで

問題解決してくれました。






寒くて暗い冬を過ごすために

イギリスの人たちは家をいかに快適にしつらえるか・・・に

腐心していました。

だから お部屋が自分の好みだととても嬉しくなって

日常も楽しく感じられました。

    フェイクの暖炉 
      これを見たときヨーロッパっぽいわ・・と感激

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大型の食器棚も備え付けられてました。

このおかげで 食器が増えちゃいましたけど・・・
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庭には林檎の木が植えられていました。

7月を過ぎるとロンドンは もう秋の気配。

大きく実った林檎がたわわになっていましたよ。
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窓辺に ハーブの鉢を置いてました
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アンティーク マーケットで買った椅子やサイドテーブル 

籠をちょこっと飾ってみたり・・・・
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でも やっぱり この家でもボイラーの調子が悪くって

お湯がちゃんと出ないこと しょっちゅうでしたよ。

だから 日本で当たり前に お湯の出るのが信じられないぐらい

素晴らしいと思います。

ロンドンでの不自由な生活が 日本の便利な生活を

有り難いと気付かせてくれました。
# by ruchikald | 2009-12-07 20:33 | 生活
  ロンドン北部 ハムステッド。

さしづめ日本ならば田園調布というべき

高級住宅がならぶ お上品なエリアです。

日本の駐在員でも アッパークラスな方々がお住まいでして

私たちには高嶺の花。

ということで庶民派代表の我が家

ちょっとセレブな雰囲気を手軽に味わうために 散策してみました。

地下鉄ハムステッド駅を降りて イギリスには珍しい急な坂道を

登りきったてっぺん付近にフェントン ハウスという17世紀に

建てられたお屋敷があります。
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元のオーナーは非常に趣味人で

様々な楽器や 華麗な陶磁器のコレクションが整然と

陳列されています。

建物の裏には 適度に野趣を残したイングリッシュ ガーデンが広がり

さりげない上品さを垣間見ることができました。

私達が訪れたのは今年の7月上旬。 お庭の緑がとても美しかったです。
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この一帯 小高い丘をHolly Hillと称し

他にもお屋敷がひろがり 映画”メアリー ポピンズ”の

ロケ地として使われたそうです。





所変わって ハムステッド一帯には

広大なハムステッド・ヒースの公園がひろがり

人々の憩いの場となっています。

この公園の北部にも Kenwood Houseという貴族のお屋敷が一般公開

されています。

ギリシャ風神殿の非常に豪華な建物
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ここは個人の絵画のコレクション

レンブラントやフェルメールなどで 有名。
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そして 貴族の館にはお約束の 自分の祖先の肖像画が

部屋の至る所に飾られて

自分のルーツの由緒正しさをこれでもかというぐらい 見せつけられます。

建物の裏手は 昔の馬小屋を改造したカフェがあり

ちょっとしたお食事をとることができます。
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また 広大な庭の一角には小さな湖 ( 大きな池?)があり

夏場はコンサートが開催され

人々は芝生に座りながら ピクニック気分で音楽を楽しむそうですよ。
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上流階級のお屋敷は色々な所で解放されているので

現代の一般の人たちが 手軽に鑑賞することができます。

贅沢な空間で 自分たちの時間を過ごすことができる

これもイギリスならではの 余暇の楽しみだといえます。






そこから少し離れたところにフロイトが最晩年 

ロンドンに亡命していた邸宅も公開されています。

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建物の壁面にはブループラーク
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第2次世界大戦中 ウィーンに住んでいたフロイトは

ユダヤ人であったためナチに迫害されて

イギリス政府の招聘で ロンドンに移り住みました。

当時のまま 残された室内

特にフロイトの書斎には 膨大な書籍とともに

趣味で集めた世界各地の おびただしい数の民芸品が置かれています。
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それらが芸術的価値のあるものには見えず

どちらかといえば ガラクタっぽく

彼の人間臭さを示しているようで親近感がわきました。

フロイト博物館からちょっと離れた所にある記念像
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尚 イギリスでは冬季 郊外の博物館や貴族のお屋敷は閉鎖されていることが

多いので訪れる場合は 事前に開館しているかお調べになってくださいね。
# by ruchikald | 2009-12-04 20:30 | 遊び
  かつて テムズ河を渡った下岸は

昔から 活気あふれる庶民の生活が

いきいきと営まれていました。

マーケット、 シェークスピアの劇場、 病院、 教会・・・

胃袋と エンターテイメントと 生と 死が同居する人間臭いエリアは

今 訪れても とても雑多でワクワク。

現在でも 不衛生ながら活気のあったロンドンの名残が残っているので

タイムスリップしたような感覚を覚え 面白いです。





ロンドンブリッジ駅のすぐ近くにある

Borough Market | Home ( バラ マーケット )
Borough・・・・・ NY市の行政区(Queen's boroughとか)は
           発音がボローだったけど 
           同じ行政区という意味でも
           英国だと バラと発音しておりました。
           だから 最初聞いた時  
           お花の薔薇マーケットだと勘違いしていたんです。
           さすが ガーデニング大国なんだなあ なんてね。



開いているのは

金曜日 12:00-18:00

土曜日 9:00-16:00


たまたま 別の用で付近を訪れた6月初旬

人が集まっているので 誘われるようにマーケットの中に・・・
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地域密着型のマーケットでなく

見られることを意識した店舗と いいましょうか・・・

有機野菜やら チーズ 肉や魚の専門店やら

うーん 全てに心惹かれてしまいました。

とってもかっこいいのです。

こんなに 素敵なのに いざ買おうとすると 

ミーハーな癖に小心者な私は腰がひけちゃって。。。。 

試すことができないんですわ。





お魚屋さんだって デコレーション重視
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ロブフターの後ろで 海老の軍団が待機中?
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八百屋さんも かっこいいでしょ?
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手前に白い紙で包まれているのはアスパラガス
旬の食べ物を有り難がらないイギリスに珍しく
初夏のアスパラガスは 人気があります。
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ブロック状の物体はチョコレートなんです。 
かなり心惹かれました
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こちらもチョコレート
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見ているだけで ワクワクしてきますよ~

別の方からの情報によると

マーケット入口すぐのところに売られている乳製品のブースの

ヨーグルトは なかなかイケルらしいです。
# by ruchikald | 2009-12-01 22:23 | 生活

倫敦漱石記念館

    ロンドンに縁の深い夏目漱石

明治政府の特令で 国費留学生としてロンドンの地を訪れました。

漱石にとって ロンドンは かならずしも快適な地ではなく

短い滞在期間のうちに何度も 下宿先を変えています。

新しい下宿先の募集広告に

” 静かな環境で 文学に理解のある大家を求む”などと

書いているのも興味深いです。

というのも ロンドンにいながらも 大半の時間 自室にこもって

書物と格闘し勉強にあけくれる日々。

英文学を専門としていたのに 当初 

現地では英語が全く通じなくて

プライドを傷つけられた・・・・という苦いエピソードもあり

これが 漱石を猛勉強に追い込んでいたようです。
 
でも時々 気分転換に外出して テムズ河周囲や街中を散策。

そうして書き上げたのは あの倫敦塔です。

以前の私の記事はこちら
Londonerへの道 : 倫敦塔です。
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実際ロンドン塔を訪れると

虚実織り交ぜた文章の巧みさに驚かさるとともに

英国への愛憎入りまざった複雑な気持ちが感じられます。




今年の6月、

1984年 恒松郁生氏という個人の方が

私財を投じて設立された倫敦漱石記念館を

訪れました。

テムズ河を超えた庶民的なエリアでありながら 

記念館のある通り界隈は 現在でも閑静な住宅街。

100年ぐらいでは 街の様子がほとんど変わらないイギリスらしく

漱石滞在中とほぼ同じ街の風景が残っています。 

実際に住んでいたのは 記念館の向かいの建物だそう。
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日本人としては唯一

ブループラーク( 業績を残した人ゆかりの地に設置されるプレート)が
残っています。
建物の中央にある小さな青いプレートが ブループラーク
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記念館の入口
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こちらには漱石に関する資料が多数残されています。

”ビクトリア女王の逝去のパレードの時に 街に見物に出かけたけれど

人垣が高くて 背の低い漱石は行列が見えなかったので 

下宿先の主人に肩車してもらった。”とか

”自分は英語なんて 全然興味なかったのに 

兄に進路を相談したら これからの立身出世には有利だし 

まだ極めている人間も少ないから

と言われ 英語を専攻しただけだ。

それなのに特例で英国で留学しろなんて 

全く心外で迷惑なだけだ”

なんて エピソードも紹介されています。

自分の本意じゃないのに 選抜されて イギリスに来たけど

思い描いていた生活と違って

困窮甚だしい・・・・なんて本音とカッコつけた姿が

漱石らしいじゃありませんか?


建物の通り沿いに残っている通称 ”ぼっちゃんポスト”は

ヴィクトリア時代から残っている物です。
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ポストの年代は 本体のイニシャルで見分けがつきます
(ヴィクトリア女王=VR)
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ロンドンの中心から 少し離れていますが

漱石の人間臭い一面が垣間見えて

とても親近感を覚えますよ~

倫敦漱石記念館
夏目漱石とロンドン:倫敦漱石記念館ホームページにようこそ!
80B,  The Chase,SW4
# by ruchikald | 2009-11-29 08:34 | 歴史