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2009年9月 日本に帰って来たruchika  3年半ぶりの日本に戸惑いながら しばらく英国の記事をアップしていきます。


by ruchikald

倫敦塔

   晴れ間が見えたので ロンドン塔に行ってきました。

地下鉄 Tower Hill駅を出て トンネルを抜けると

突然 中世の石造りの建物が眼前に広がり

その意表さに思わず息を呑みます。

心構えなく 自分の望んでいたものが現れると

人は動けなくなってしまうんですね。
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ロンドン塔・・・ 私は 高い火の見櫓を想像していたのですが

ウィリアム1世が築いた要塞を中心に

後世の王達が増築した 城郭群を指します。
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かつては 王達の居住地でしたが

後に悪名高い牢獄として使用されるようになったのは

ご承知の通り。

罪人を船で送り入れ 処刑した人々を流すために

テムズ河沿いの塔が便利だったためでしょうか?

幽霊話には事欠かない ロンドンでも

ここは 本当に出るスポットらしく

夫ヘンリー8世に暗殺された アン・ブリン(エリザベス1世の母)が

自分の首を手に載せて歩いている姿を見たという人も・・・・

入り口で ビーフィーターが
塔にまつわる簡単な歴史・エピソードをしてくれます。
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兄のエドワード4世死後 跡継ぎの息子達が忽然と姿を消し

その後 ホワイトタワーで 死体が発見されました。


兄弟が暗殺されたといわれるブラディータワー中で
中世の衣装を着たガイドさん達
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後を継いだ叔父のリチャード3世が陰謀を企てたと

言い伝えられていますが 

これはシェークスピアの戯曲で定着してしまったようで

いまだに真相は藪の中。




ブラディータワーを出ると

テムズ河に掛かるタワー・ブリッジが 

突然目の前に 現れます。
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さらに 広場の中央に聳え立つ白く堂々とした建物(ホワイトタワー)へ
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現在は 銃や甲冑の格納 展示室になっています。

1610年 徳川 秀忠からのジェームスI世への献上品の甲冑も展示。
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イギリスの国力がうなぎのぼりで 勢いに拍車をかけている折に

日本では江戸時代が始まり 独自の政策路線を敷いて

鎖国時代へと向かっていったというのが 興味深いです。

歴史の分かれ道を見つめていた甲冑が存在する不思議に

しばし見入ってしまいました。

また ホワイトタワー内には 

罪人が牢獄の壁に刻み付けた落書きも残っています。
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BE FAITHFUL
UNTO THE DEATH
AND I WILL GIVE 
THE A CROWNE (ママ)
OF LIFE

D1554
DLT CULPEPPER
OF AILSFORD KENT

 ”死に忠実たれ 

  そうすれば私は 生命の王冠を与えよう ”

恐怖におののきながら 

壁に言葉を刻む罪人の苦しみが

胸に迫ってきます。 


カラスにエサをやる おじさん
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敷地内で飼われている カラスは7羽に保たれていて

いなくなると 王制が廃れるといわれているそう。


思い立って訪れた倫敦塔

歴史を知ると より深く楽しむことができそう。

倫敦塔と 最近出来たランドマーク的なビル
通称ガーキン
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自宅に戻って 漱石の“倫敦塔”を読んでみました。

中世へ思いを馳せる漱石の想像力は とどまることを知らず

自ずと 過去の幻影に篭絡されて 迷い込んでいきます。

洒脱な文体を追いながら 訪れた塔の姿を重ねると

薄暗い影から いにしえへの手招きが見えるようでした。

ロンドン観光の前に 一読されると

ぐっと 旅の面白さが増すので お勧めです!

( そういう私は 読んでませんでした 

 自戒をこめて ご一読を是非! )
by ruchikald | 2007-12-09 22:02 | 歴史